こちら、リノベーションのインターン。「しごと、しごと!」
風合いを大切にする空間づくりは、まさに手仕事
地域に根ざす「看板屋」が手がける新たな街づくり。今、新事業展開中の創業100年近く看板業へのインターン。
ビジュアルデザイン科2年制学科の1年次生2名のインターンシップ先は株式会社アドイシグロ(長野市東鶴賀町)。1928年の創業以来、90年以上にわたり看板製作などの広告美術業を自社一貫体制で展開する老舗企業です。長年培ってきた技術力とアート感覚を活かし、近年は古い建物の魅力を引き出す「長野ビンテージビルプロジェクト」などのリノベーション事業や、まちづくりに注力しています。

看板業の老舗、「アドイシグロ」のオブジェサイン
アート感覚でリノベーション中の空間づくり、手で塗って風合いをつくり出してます。
インターンの活動では「長野ビンテージビルプロジェクト@光ハイツ」にも参加しました。築48年の「光ハイツ」の2DKの1室を、「インド刺繍をモチーフにした煌びやかな空間、そしてレトロモダン」をテーマにリノベーション。あえて道具を使わず、直接手で壁の漆喰塗りに挑戦しました。

アパートのアート感覚リノベ、光ハイツの一室は手の痕跡の風合いがテーマ
つづいては、実践的なデザイン業務。同社が展開する「看板点検・啓発漫画コンテスト」のポスター制作や、お客様に手渡す「ノベルティシール」のデザインしごとです。同社のデザインリーダーであり、美専の卒業生である先輩社員から直接教わりながらの充実した実習になりました。
卒業生の先輩社員からは、「2名とも粘り強く課題に取り組み、実用的なチラシを完成させてくれました。今回のインターンシップでの制作や実作業を通じ、クライアントの要望や制約の中で自身の表現をどう形にするかを経験できたと思います。独りよがりにならず、相手に寄りすぎない『最適な落とし所』を見つけるバランス感覚を、今後の創作にも活かしてほしいです。」とエールをいただきました。

インターンに行った2人と、完成した看板点検・啓発漫画コンテスト」のデザイン
「会社の今後の目標を考えるうえで、ベースにしている言葉があるんです。以前、前の京都市長だった門川さんが看板屋の全国大会でおっしゃった言葉なんですが、とても印象的でして。『普通、美術館に行くのって年に1、2回くらいですよね。でも街の看板は通学中の子供たちが毎日目にします。屋外広告の仕事というのは、人々の"美意識づくり"にすごく大きな影響を与えているんですよ』とおっしゃったんです。 この言葉には本当にハッとさせられました。看板業というものが日常の風景においていかに絶大な影響力と責任を持っているか、気付かされたんですね。
それ以来この5年間はずっと『私たちの仕事が街の景観や美意識を創っているんだ』という意識を社内で共有するようにしてきました。 そうやって視点を変えて仕事に向き合うようになると、社員一人ひとりがそれぞれの捉え方で、全く違うアイデアを出してくれるようになったんです。結果的にそれが、今のうちの多様な事業展開や、いろんな新しい取り組みに繋がっているんだと思います。美専の学生の皆さんにも、空間を通して街の文化を彩る楽しさを感じてほしいですし、インターンシップという機会を通じて、こうして若い感性が現場に入ることは我々にとっても大きな刺激です。」