松本副校長、快挙。
デザイナー校長 VS アーティスト副校長 【副校長編】

国際芸術祭「あいち2022」に招聘された松本副校長先生
松本直樹副校長の特筆すべきアーティスト活動は、この夏から先日幕を下ろした国際芸術祭「あいち2022」への招聘。 名だたる国際アーティストに肩を並べての日本人アーティストとしての快挙だ。やっぱりアートか。 「いやいや、デザインを学んでもらわなければ」と現役デザイナーの校長も気炎を上げている。
国際芸術祭「あいち2022」で松本副校長先生が展開したのは、自身のコレクティブ(アーティストの共同体)"ミルク倉庫+ココナッツ"の巨大な構想のインスタレーション「魂の錬成」。 登場したアートは、会場の愛知芸術文化センター館内8階から12階までを貫く吹き抜けを貫く構造で、血液に見立てた雨水が濾過されながら巡回する呼吸器官の「肺」と見なされ、鑑賞者はその中を巡ることができる。
インスターレーション作品「魂の錬成」は愛知芸術文化センターで展開
愛知県の広範囲で行なわれた「あいち2022」、松本先生の"ミルク倉庫+ココナッツ"はこの会場に創造のエネルギーを繰り広げた。
「STILL ALIVE」を考える「あいち2022」
今、を生き抜くアートのちから
「あいちトリエンナーレ」を前身とする新たな国際芸術祭「あいち2022」は、現代美術展やパフォーミング・アーツなど5つのプログラムで総勢100組のアーティストが参加するこの大規模芸術祭。
愛知県美術館が入る愛知芸術文化センターのほか、一宮市、常滑市、名古屋市有松地区といったエリアを会場として、現代美術プログラムを中心に据え、パフォーマンス、ラーニングプログラムが繰り広げられた。
国際芸術祭「あいち2022」
公式サイト >
「校長先生、やっぱりアートですね。」
長野美術専門学校 副校長 松本直樹(略歴)
1982年、長野県生まれ。美術家。2015年よりアーティスト・コレクティブ "ミルク倉庫+ココナッツ" メンバー、2018年より長野美術専門学校副校長。
ある事象(作品やプロジェクトなど)の成立には、混線する様々な文脈間の調停が必要で、これは必ず「技術化」できうる(翻れば、事象の強度は、複数に渡る意味の幅である)、
というのが信条。2004年東京芸術大学絵画科油画専攻卒業。2007年 東京芸術大学大学院美術研究絵画科修士課程修了。主な個展に、2017年「ナガノオルタナティブ 松本直樹展」(FLATFILE SLASH倉庫ギャラリー,長野市]など、
コレクティブの活動として、2022年、国際芸術祭「あいち2022」(愛知芸術文化センターほか, 愛知)、2021年「ab-sence/ac-ceptance 不在の観測」(岐阜県美術館, 岐阜市)などがある。
長野美術専門学校 校長 小林 勝彦(略歴)
1953年、長野県生まれ。ある海外のプロダクトデザイナーが日本を訪れた時に「デザインはコンテクストだ」と言っていたが、
デザインワークを捉えるキーワードとして、折々に思い出している。
学生には偏狭な考えに陥ることなく、本来の捉え方でデザインの現場に立って欲しいと願っている。
私自身のデザインワークにおいては、個別のビジュアルづくりと包括的な場づくりの垣根を設けず取り組んでいるが、これをデザイナーとしての成長と自負している。
1976年、多摩美術大学芸術学部デザイン科卒後、日本デザインセンター入社、TOYOTA自動車の広告、カタログ制作などを主に担当。
1985年長野美術専門学校入職。現在は、個人事務所デザイン・ウィズミーから発展させたクリエイティブファクト(デザイン会社)を経営。
2005年長野美術専門学校校長就任。長野県専修学校各種学校連合会理事長。JAGDA(日本グラフィックデザイン協会)会員。
デザイン職と教育職を両立している。
「いやいや、デザインを学んでいただきたい。」